「腫瘍は不変」抗がん剤治療は奏功も、がんサバイバーに訪れる予期せぬ体の異変とは?

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肺部のCT画像(左は3月、右は5月時点、筆者提供)

ゴールデンウィーク(GW)明けの8日、久しぶりに大学病院に向かった。今回は抗がん剤治療ではなく、血液検査とCT撮影、そして主治医の診察が目的だ。

まずは血液検査の結果から。こちらは炎症の値を示すCRPが前回よりやや高くなっていたが、以前のひどい頃に比べれば大幅に改善。大目に見て何とか許容範囲の数値だった。

進行は抑制され状況は不変

最大のポイントはCT画像である。主治医が目の前のパソコンを操作し、モニターに腫瘍が転移した肺の画面を大きく映し出して説明し始めた。

「左が3月、右が今回の画面です。左画像の左側にある星雲状の腫瘍が、右画像ではくっきりとした形になっています。そして左画像の右下にある楕円形の腫瘍が5月のほうが若干大きめで鮮明になっています。ただ、痰が集積してこういう状態に見えることもあり、腫瘍が大きくなったとは言い切れません」

一見、がん細胞の活動が活発化して腫瘍が大きくなったかのように思えるが、必ずしもそうとは言い切れないとのことだ。病巣が進行していないのではないかということは、次の画像からも明らかだった。

「先ほどよりも肺の下を映した画像です。画面の左右の小さな腫瘍は今回、明らかに小さくなっています。左側中央部近くにある楕円形の腫瘍もやはり小さくなっています。そしてもう一カ所。腰骨の部分ですが、ここは今回も、転移しているのかどうかはっきりしないほどモヤモヤした状態です」

1月から3月にかけてはだれが見ても明らかなほど腫瘍が縮小していたが、今回はがん細胞の増殖活動による肥大化は見られず、一部は縮小化。全体的に進行は抑えられているといった状況だった。その結果、主治医の判定は「不変」ということになった。

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