
足元の世界経済は、アメリカのトランプ政権が推し進める関税政策に揺さぶられ、先行きの不透明感がぬぐえない状況にある。そうした中で、日本の上場企業の約7割を占める、3月期決算企業の2024年度の本決算発表が一巡した。
3月期決算企業にとっての2024年度は、期末にかけて「トランプ関税」の足音を感じながらも、まだその影響を受けず、実力ベースの業績を上げられた1年だった。その状況を概観することは、各社・各業界の2025年度を展望するうえで大きなヒントとなりそうだ。
そこで、東洋経済オンラインでは3月期決算企業を対象に、「本業の儲け」を示す営業利益が2024年度に大きく増えた企業を抽出。「増益率」と「増益幅」でそれぞれ上位250社をランキングにまとめた。
目立つ「電気機器」の業績改善ぶり
「増益率」でトップになったのは、工業用ミシンメーカーのPEGASUSだった。バングラデシュやインドで設備投資需要が回復基調にあるほか、中国でも着実に需要を取り込んだことで、2024年度の営業利益は15億7300万円と、2023年度の3800万円から急拡大した。
「増益幅」の首位は、半導体メモリー大手のキオクシアホールディングス。データセンター向けなどに需要が拡大したことに加えて、2023年度に比べて為替水準が円安で推移したことがプラスに働いた。
「増益率」ランキングでは、132社が2023年度比で100%(2倍)超の増益率を記録。業種別では「電気機器」の28社が最多、これに「建設業」「情報・通信」が25社、「化学」「サービス業」が24社で続いた。
「増益幅」ランキングは、増益幅1000億円超が19社、100億円超が130社だった。業種別では、こちらも「電気機器」が38社でトップ。2位が「建設業」の22社、3位が「情報・通信」の20社となった。