値を戻しつつあるが日経平均株価は4万円を割ったまま。相場を左右する要素は何か。

馬渕治好(まぶち・はるよし)/ブーケ・ド・フルーレット代表。1981年から旧・日興証券グループで主に調査部門を歴任し、2009年1月に独立。CFA協会認定証券アナリスト(撮影:尾形文繁)
8月5日、東京証券取引所は歴史的な大暴落に見舞われた。市場ではいったい何が起きていたのか。本特集では「日本株ショック」を徹底検証する。
日経平均株価は今年4万円を超えて上昇したが、この株価水準ははたして妥当だったのか。今回の急落は「間違って買われた」ことの正常化だ。
米国経済への疑念や日本銀行の利上げ、円相場の巻き戻しは単なるきっかけで、本質ではない。買いの主体となった海外投資家の強気をくじいて調整が起きた。
株価が上がったこと自体はおかしいわけではない。企業業績は昨年より回復している。日本経済がデフレを脱却してインフレ気味になり、企業が資本効率の向上や株主還元を重視するようになってきた。それらの明るい変化が起きている。
さらば「ツーリスト投資家」
ただ、「日経平均4万円超えは、日本で構造変化が起きているから」といわれたが、実際に生じている変化は緩やかだ。それなのに、日本のことをよく知らない海外投資家は変化が急速に全面的に起きているのだと思い、日本株に飛びついた。
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