カナダ同業大手からの買収提案で厳しく問われる「成長戦略」の中身。

クシュタールは「サークルK」などを買収、次はセブン&アイに照準を定めた(写真:Getty Images、セブン&アイ・ホールディングス)
セブン&アイ・ホールディングスがM&Aの標的となった。本特集では、カナダ同業からの買収提案を経て厳しく問われる「成長戦略」の中身に迫る。
「起こるべくして起こった、ということだろう」。セブン&アイ・ホールディングス(HD)の元幹部は冷静に語る。
セブン&アイは8月、アリマンタシォン・クシュタールから買収提案があったと明らかにした。セブン&アイは社外取締役で構成する特別委員会を立ち上げ、提案受け入れの可否などを「慎重かつ網羅的に、しかし速やかに検討」してきた。
世界でも屈指のM&A巧者
クシュタールはカナダに本社を置く、世界最大手級のコンビニグループ。21年前の「サークルK」取得で急成長を遂げて以降、地盤の北米を中心に積極買収を仕掛ける。直近ではフランス政府の反発でかなわなかったものの、同国流通大手・カルフールの買収を試みるなど、世界でも屈指のM&A(合併・買収)巧者として知られる。
セブン&アイにとってはグループ中核の米子会社、セブン-イレブン・インク最大の競争相手だ。クシュタールの同国での店舗シェアは3.8%と、首位セブン(8.5%)に次ぐ。ガソリンスタンド併設型の直営店を中心に米国、カナダで1万店弱、欧州各国でも5000店以上の店舗網を張るグローバル企業だ。
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