ランキング上位企業の傾向にも共通するが、女性従業員比率が高い、つまり女性管理職・部長職の候補となる人材のプールが大きい企業・業種のほうが、いずれの比率も高い傾向にある。ただ、ハーバー研究所のように女性従業員比率は91.4%であるものの、女性部長比率は52.6%というように上位管理職では、半分程度というケースもある。
とはいえ、女性管理職・部長比率は年々上昇している。女性管理職比率の全体平均は、2018年度の7.7%(『CSR企業白書』2020年版)から、2023年度は10.7%まで増加した。同期間中には、株主・投資家からの要請の高まりや有価証券報告書による女性管理職比率の開示義務化があった。これらが増加の主因となったことは否めない。
10年間で女性部長比率を最も伸ばしたのはハウス オブ ローゼ
最後に、10年間で女性管理職比率を伸ばした上位100社のランキングを紹介する。
1位は百貨店等でボディケア用品や化粧品を販売するハウス オブ ローゼで、46.2ポイント(26.2%→72.4%)増加した。2位は繊維が主力だが商業施設賃貸で安定収益を稼ぐサイボー。10年前から45.9ポイント(0%→45.9%)増加し、首位に肉薄する伸びを見せた。
3位はコールセンター等への派遣と障害者雇用支援の農園事業を展開するエスプールで、42.5ポイント(2.5%→45%)増加。2位と3位はゼロまたは数%の状況から10年で大きく伸びた企業だ。
4位はトレンダーズで、36.2ポイント増加(57.1%→93.3%)。5位は住友生命保険で、35.8ポイント増加(12.7%→48.5%)。同社は2025年度末に女性管理職(課長相当職以上)比率を50%とする高い目標を掲げている。
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