部下との会話も楽しめるようになる雑談力の鉄則。心理的な距離をコントロールする"第3の会話"

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部下と談笑する上司
(写真:kouta / PIXTA)
40~50代のビジネスパーソンにとって、部下との「会話力」は組織内で生き残るための必須条件。『週刊東洋経済』5月31日号の第1特集は「最強上司の会話力」だ。
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「雑談」というと、言葉の響きがあまりよくない。雑談は「第3の会話」と考えたほうがいい。

第1の会話は主に年長者を相手に敬語でビジネスライクに語る話法で、第2の会話は友人、知人との気兼ねないおしゃべりである。会話は大きく分けてこの2種類なのだが、例えば、職場で中高年社員と若手社員がよりよい関係を保ちながら仕事を進めていくには、お互いの心理的な距離をコントロールする必要がある。その際に欠かせないのが第3の会話、雑談である。

雑談は、第1、第2の会話の延長でしゃくし定規に話したり、なれなれしく会話したりすることではない。相手を褒めるにしても、今どきはセクハラやルッキズムなど微妙な問題が生じかねない。雑談ができれば仕事をうまく回すことができる。ただ、身に付けるには相応の努力が求められる。新しい言語として第3の会話を習得するくらいの気持ちで臨んでほしい。

身に付けるためのルール

雑談力を身に付けるためのルールを紹介しよう。まず、大事なのは会話のラリーを続けることだ。遠い間柄の人と少しだけ仲良くすることが目的で、雑談それ自体を目指すものではない。あくまで雑談ではあるので、2〜3時間も話す必要はない。面白い話をしようと思わなくてよい。

2つ目は気持ちをやり取りすること。話し手の人となりがわかるように、うれしかったり、驚いたり、困ったりと感情を表現する。そのためには、3つ目になるがエピソードや経験談を話題にするのがいい。天気ネタや時事ネタでは感情は乗せづらいものだ。

4つ目は、肯定して共感すること。たとえ天気の話をしても相手の話を否定しない、アドバイスしない。これは本当に鉄則だ。相手が「近頃、ようやく暖かくなりましたね」と水を向けているのに、「そうか? 今朝のニュースでは午後には気温がぐっと下がって冬に逆戻りらしいよ」。これでは会話はぶった切られるのである。

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