39年ぶり「衆参ダブル選挙」は"政権交代のチャンス"、それでも立憲民主党が尻込みする悩ましい事情

今国会の会期末である6月22日まで残り4週間。野党第1党の立憲民主党が会期末直前に石破茂内閣に対する不信任決議案を提出するかどうかが、会期末政局の最大の焦点となってきた。石破首相は「提出されれば直ちに衆院解散を断行し、衆参ダブル選挙に持ち込む考え」(首相側近)とみられているからだ。
衆参ダブル選となれば、1986年の中曽根康弘政権でのいわゆる「死んだふり解散」以来、39年ぶりの出来事になる。そのときは自民党が衆参で大勝し、中曽根政権の任期1年延長につながった。
ただ、当時とまったく違う「少数与党」という政治状況下でのダブル選となれば、「有権者は過去に例のない『政権選択・政界再編』を視野に入れた投票となる」(選挙アナリスト)。そのため、「2009年の政権交代に並ぶ政界激震」(自民党長老)に発展する可能性が大きい。
その場合、結果次第では現在の自公連立という政権の枠組みが崩壊し、野党連立あるいは与野党大連立による新政権誕生につながる事態も想定される。もちろん、石破首相は政権の座を追われ、自民党の下野で次期自民党総裁が野党第1党の党首となる可能性も否定できない。
深まる立憲・野田代表の悩み
ただ、ダブル選となれば、野党各党の選挙共闘の可否が勝敗に大きな影響を及ぼす。
現状では、野党各党は自党の議席拡大を最優先にせざるをえない。多くの選挙区で「野党候補競合」となれば、強固な組織を持つ自公両党が、漁夫の利で政権維持に必要な議席を確保し、結果的に“元の木阿弥”となることも想定される。
だからこそ、立憲民主党の野田佳彦代表は「総合的に判断」と、なお慎重な構えを崩さない。一方で「立憲民主党が『不信任勝負』を避ければ、政権交代を望む有権者の支持を失う」(政治ジャーナリスト)ことは必至。次期参院選での立憲敗北にもつながりかねないため、野田氏の悩みは深まるばかりだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら