
自らのこれまでの経験を踏まえ、政治資金収支報告書の変革を訴える山本一太群馬県知事 (撮影:梅谷秀司)
通常国会で議論されていた企業・団体献金の見直しが、先送りされる公算となっている。それに対し「選挙への影響とか政局とかを抜きにして見直しをやるべきだ」と主張する知事がいる。元自民党参院議員で閣僚経験もある山本一太・群馬県知事だ。
山本知事は4月、自身の政治資金収支報告書に一部、事実と異なる記載があったことを自ら会見で公表し、謝罪した。そのうえで、シンクタンク「政策推進機構」がローンチした「政治資金収支報告書データベース」を絶賛し、開発者を「天才だ」と褒めちぎった。
永田町で「モンスター」だと恐れる声も出ている、政治資金の不都合さを暴きかねないデータベースをなぜ絶賛するのか。山本知事に真意を聞いた。
「結局、進んでいない」
――山本知事は国会での政治資金改革議論について定例会見やブログで積極的に発信されています。
私は自民党国会議員を24年間やり、若手の頃から政治資金改革が必要だと言い続けた。月刊誌に政治資金の流れを明らかにする論文を発表し、先輩議員からすごく叱られたこともある。
その論文を今読み返してみても状況は変わっていない。国会議員時代は、改革が進まないことにフラストレーションを抱えていた。そして、知事になってからも、もう6年だが、地方の利権の構造、問題に直面し、やはり政治資金改革は難しいなと感じてきた。
そうしたら、石破さんが所信表明演説で政治資金の「データベース化」とおっしゃった。素晴らしいと思い変化に期待したが、結局進んでいない。
――どの点が変わらないですか。
政治資金収支報告書を変えないといけないし、国民が情報を取れない状況を変えないといけない。年1回、報告書が公開される今のやり方では、検索も分析もできない。あっちこっちの選挙管理委員会から報告書のPDFファイルを集める必要がある。一般国民にはそんなことはできない。絶対に変えないといけないが、なかなか実現しない。
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