「出社か、リモートか」では語れない「職場のかたち」。“出社回帰”の波の中で本当に大切な問いとは? 《静かに分断する職場》を防ぐ方法

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出社する女性
コロナ禍でリモートワーク中心だった会社でも出社回帰の動きが出ています(写真:maroke / PIXTA)
ジェイフィール代表取締役でコンサルタントの高橋克徳氏は2008年、ベストセラーとなった著書『不機嫌な職場』(共著)で、ギスギスした職場で社員同士が協力できない状況になっていることをまとめた。
それから17年。今、職場はどうなっているかといえば、価値観や考え方の違いが見えない壁をつくり、互いに触れられない、向き合えない、対話ができない。ギスギスした感情もなければ、衝突や対立もない。互いの心の距離が離れ、「静かなる分断」が生まれていたーー(本記事は、高橋氏の著書『静かに分断する職場 なぜ、社員の心が離れていくのか』から一部を抜粋し、再編集したものです)。
【合わせて読む↓↓】

「正社員vs非正規」「管理職vs一般社員」、職場に潜む“見えない壁”の正体。《何を考えているのかわからない》と心の距離は広がるばかり
実はじわじわ広がっている「静かなる職場の分断」。「管理職になりたくない」社員が増加、その背景にあるもの

コロナ禍を経て多様になった「職場」

コロナ禍を経験し、職場の概念が多様になりました。自分の家、自宅の部屋が、オンライン上のウェブ会議室が、サテライトオフィスやカフェが職場になった人もいます。

職場をコミュニケーションの場と捉えるのか、個々人が作業をする仕事場と捉えるのか。職場の意味、意義が問われ始めているのです。

オフィスという空間は、何のために必要なのでしょうか。オンラインでは本当に感情が交流し、互いを支え合う関係はつくれないのでしょうか。

今、わたしたちは職場で一緒に働く人たちに何を求め、どのような関係をつくりたいと思っているのでしょうか。

あらためて、ともに働く意味、ともに働く場所としての職場のあり方を一緒に考える必要があるのではないでしょうか。

たとえば「リモートワークを続けたい」「オフィスに集まって働く方が良い」「どちらかに偏るのは良くない。バランスがあるのでは」。この意識の違いはどこから生まれるのでしょうか。

リモート中心で働きたいという人にも、いろいろなタイプがいます。家族との時間や私生活を大切にしたいと気づいた人、通勤ストレスや人間関係のストレスから解放されたいという人、リモートワークの方がより仕事がはかどる、集中できるという人もいます。

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