成立する確率は五分五分。日産のリストラが歴史的統合の成否を握る。

(撮影:今井康一)
昨年末に発表された、ホンダと日産自動車の経営統合計画。背景にあるのが、自動車業界全体に通底する強烈な危機感だ。本特集では、国内メーカーの合従連衡の動きのほか、中国勢が攪乱する世界市場の最新動向など、自動車業界の最前線を追った。
「ホンダの三部(敏宏)社長は日産自動車がリストラを実行するかどうか厳しく見ている。1月末の破談はない。だが、最終的に統合が成立する確率は五分五分だろう」。両社の内情に詳しい関係者はそう明かす。
実現すれば販売台数ベースで世界3位の自動車メーカーに浮上する世紀の経営統合。だが、その協議は開始から1カ月で早くも正念場を迎えている。
電光石火の経営統合協議
両社が経営統合に向けた協議開始で合意したのは昨年、暮れも押し迫った12月23日のことだ。
もともと2024年3月にEV(電気自動車)や車載ソフトウェアの領域で協業を打ち出していたが、具体的な進展がない中で日産の業績が急悪化。台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が日産買収の動きを見せたこともあり、両社はこれを防ぐために電光石火で経営統合協議に踏み切ったとみられる。
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