「日本は北朝鮮より下の196位」政府が取り繕ってもごまかせない“日本の不都合な真実”

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台湾のTSMCが、日本企業と共同出資して設立したJASM(写真:松尾/アフロ)

「日本は北朝鮮のすぐ下の196位」と聞いて、何の話なのか見当がつく方は多くないかもしれない。種明かしをすると、2023年時点におけるGDPに占める対内直接投資(以下FDI)の割合だ。平たく言えば、対GDP比で、海外企業が日本国内で事業を展開したり、既存の日本企業株式の取得(一般的には10%以上)する割合が北朝鮮より低かったのだ(※)。

※国連貿易開発会議(UNCTAD)調べ

実は4年前、私は同様の主旨の記事を東洋経済オンラインで書いた。当時も日本は北朝鮮に次ぐ196位だったが、依然として196位のまま。2023年時点の累積FDIは対GDP比で5.89%にすぎない。

数十年も前に、19のOECD諸国を対象にした研究で、FDIが多い国ほど生産性の向上が促されることが確認されている。その理由として、ある研究者は、「外国企業の知識は国内企業にとって、しばしば新しいものだから」であることを挙げている。

(出所)国連貿易開発会議調べ
(注)FDIはGDPに占める累積対内直接投資の割合

政府目標は達成可能か?

日本政府は、2021年、2030年までに累積FDIが80兆円に達すると予測した。そして2023年には、その2030年の目標を100兆円に引き上げた。さらに、まるでオークションのように、石破政権は120兆円というさらに高い目標を検討している。

この後者の目標は、IMFの2030年GDP予測が正しければ、名目GDPの17%に相当する。仮に2023年に17%に達していたとして(現実は5.9%)、日本はようやく199カ国中175位になる。ちなみにトップ10は以下の国・地域だ。

(出所)国連貿易開発会議調べ
(注)FDIはGDPに占める累積対内直接投資の割合
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